「わかりやすい?」
巷には「わかりやすい」と銘打ったものが溢れています。
「わかりやすい参考書・問題集」「わかりやすい授業」「わかりやすい料金設定」等々・・・。
注意して頂きたいのは、巷に溢れている「わかりやすい」ものは、単に「難解・複雑な箇所を省略しているにすぎない」ものが多いということです。
例えば、「わかりやすい数学」(仮名)という参考書があったとします(同名の参考書があったら、お詫びします)。
活字が大きくて、行間が広く、頁数も少ない。確かに、数学な苦手な人は書店で手にとってしまいそうな参考書です。でも、少し考えてください。賤しくも義務教育ではない高等学校の数学が本当に全て「わかりやすい」のでしょうか?さらに、その参考書をマスターしさえすれば、栄冠を勝ち取れるのでしょうか?
出版社は言うまでもなく営利企業です。学問的にいかに優れた参考書でも、「売れてなんぼ」の世界です。本質的に難解な数学を簡単に見せるために、難解な箇所を上手に削ぎ落として出版している参考書がなんと多いことか。
もちろん、長期的に見れば、内容の薄い参考書はいずれ淘汰されます。しかし、昨今の出版物の寿命の短いことを考えると、出版社は短期的にでも利益が得られる参考書を出版する傾向にあります。そのような参考書を掴まされては大きなロスです。
「わかりやすい授業」も同様です。
確かに、学校の先生に比べて、塾・予備校の教師や家庭教師は教えるのが上手です。出版社同様、営利を目的としているので当然です。
しかしながら、「わかりやすい」だけに釣られると、煮え湯を飲まされることになりかねません。
某司法試験予備校は、難解な法律をカリスマ講師が教える「わかりやすい」授業が売りでした。弁舌さわやかで、易しく教えてくれると評判で、資格取得ブームにものり、人気も上々でした。
ただ、その予備校は司法試験合格者数・合格率を一切公表していないことが、一部の受験生から問題視されていました。
もうお判りだと思いますが、「わかりやすい」=「難解・複雑な箇所は省略」という構図なのです。
学問に王道なし
言い古された言葉ですが、学問に王道はありません。
苦手科目の克服や学習初期の段階で、「わかりやすい」ものを使用するのには一定の効果があるのは言うまでもありません。
しかしながら、それだけで「日大統一テストを突破する」という幻想は抱いてはいけません。
「急がば回れ」を肝に銘じましょう。
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