今回は、平成23年度の現代文を題材にして、現代文解答法について解説します。
本年は、Ⅰが随筆でⅡが評論です。皆さんは、随筆または小説と評論文のどちらが得意ですか?
実は、テスト的には、評論文の方が断然点数を採りやすいと思われます。
そもそも、文章が書かれる理由は作者が言いたいこと、または、伝えたいことがあるからで、正答に至るためにはそれらを正確に把握しなければなりません。
随筆または小説において、作者の気持ちを読み取ることは、作者特有の修辞技法、つまり、文章に豊かな表現を与えるための技法を読み取ることが必要になります。一方、評論文では、作者の言いたいことが論理的に展開されるため、随筆または小説に比べて、作者の意図は把握しやすいと思われます。
それでは、本問を見ていきましょう。
1、問題Ⅰ
随筆とは言いながら、評論文のような論理展開で、内容的にも難しくないと思われます。
詳細については、いつもの通り、清水書院「統一テスト問題と詳解」
日本大学統一テスト問題と詳解 国語編 平成17年?平成22年度
を見て頂くとして、少しコメントします。
①
問題1の漢字は8~9割の方が正解します。
苦手な方は、当ブログ国語編(概説)で紹介した、「入試漢字マスター1800+」
の第3章のセンター試験対策、
または、「入試頻出新国語問題総演習 (桐原書店即戦ゼミシリーズ)」の第1章書き取り①を潰してください。
漢字で失点すると致命的です。上記2冊は該当ページも少ないので、必ず解いてください。
②
問題2、6、8,9は「決め打ち」(選択肢からすぐに解答を選ぶこと)は避けてください(当ブログ国語その2参照)。
例えば、問題2において、
選択肢2⇒「東京に生まれた者」≠ 「私」(=かつて住んでいた家はもうない)⇒ ×
選択肢3⇒「(東京が)すっかり綺麗で便利な街」と「東京に生まれた者には、故郷などない」ことは無関係⇒×
選択肢4⇒本文には「他地域に見られるような故郷らしさ」の記述なし⇒×
より、選択肢1を選ぶ方法を身に付けてください。
③
問題3は、意味を知らないと3か4で迷うところですが、「安普請=安い費用で家を建てること」の意味を知っていれば、3を選ぶことが可能です。
国語や英語は、自分のこれまでの言語体験や読書量により、大きく差がでる科目です。それゆえ、一部の暗記項目(漢字、文学史、イディオム、英文法、等)を除き、短期的に学力を上げることが難しいと思われます。したがって、特に国語に関しては、何度も申し上げているように、「過去問に注力し、時間をかけ過ぎない」ことが、統一テスト対策では重要です。
④
問題5を間違えた方は、「新・日本文学史チェックノート―10日で確認」
で、基礎知識を付けてください。
2、問題Ⅱ
とても読みやすい文章なので、解説は割愛します。
最後に、清水書院「統一テスト問題と詳解」を用いて、自己採点をする場合の注意を言います。
[要約]を精読し、自分が理解した内容と合致しているか、必ず確認してください。自分の理解度を確認するのに有用です。
また、誤った問題だけでなく、正解した問題についても、解説を精読し、正解に至る道筋が正しかったか確認してください。
こうした作業を地道に行うことによって、読解力は養われます。
「統一テスト問題と詳解 国語」冒頭の「出題傾向と対策」に記載がある通り、統一テストの評論文は「現代社会が抱える問題点」についての出題が目立ちます。
新聞一面のコラムを毎日読むだけでも、立派な受験対策になるので、余力のある方は試してみてください。
それではまた。